平成27年度教育長からのメッセージ

平成27年度新谷教育長のメッセージ

2015年9月9日 ピンチをチャンスに

 子どもたちを巡っては、マスコミ等で悲惨な事件が報道されています。本当に胸が痛みます。本来、子どもたちは、「家庭環境の下で幸福、愛情および理解のある雰囲気の中で成長すべき」(児童の権利条約前文より)存在なのですが、なかなか、そうなっていない現実があります。学校だけの取組には限界があり、家庭、地域も含め、社会全体で取り組んで行く必要があります。
 幸い秩父市では、この夏休み中、子どもたち、あるいは学校を巡って、大きなトラブルはありませんでした。これも一重に、教職員の努力とともに、保護者、地域の皆様方のご理解、ご支援の賜物であります。この2学期、子どもたちの笑顔が輝き、笑い声が響く学校となるよう、尽力したいと思います。引き続きよろしくお願いします。
 さて、本年度の全国学力・学習状況調査の結果については、埼玉県全体、秩父市も厳しい状況でした。この結果を重く受け止める必要があります。秩父市の状況については、アカウンタビリティー《説明責任》を果たす意味からもしっかりと分析し、市民の皆様に情報提供したいと考えております。今、暫くお時間をいただければと思います。
 もちろん、全国学力・学習状況調査は、子どもの学力の一部を測定するものであり、これで全てを語ることはできません。結果だけに着目し、一喜一憂するつもりもありません。しかし、一側面においては、全国および埼玉県全体における秩父市の子どもたちの位置づけを示した貴重なデータであります。今後、グローバル化が進み、国際社会における競争が一層激しくなることが予想されます。これからの時代を生きる子どもたちにとって、また、これからの秩父市にとって、現在のような結果が続いていることは、誠に憂慮すべき状況であり、そのような意味で、まさに「ピンチの状況」にあると言っても過言ではありません。この結果を、まずは真摯にうけとめ、対応をしっかりと考えたいと思います。
 そのように考えている今も、学校では子どもたちが学び、教員も模索しながら日々の教育実践に取り組んでいます。厳しい結果に落ち込んでいても始まりません。まずは、秩父市教育委員会が元気を出して、前向きな対応策を考えたいと思います。
 教育は秩父市の未来のための先行投資であります。「ピンチをチャンスに」。これを機に、学校、家庭、地域が連携し、市を挙げて学力向上に取り組みたいと思います。ぜひ、ご理解とご協力をお願いします。

2015年9月9日

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