秩父市では、市内の小中学生を対象に医療への興味関心を育む「医師による出前授業」を実施しています。大滝国保診療所の栃村亮太先生が、診察の傍ら、医師不足の問題を知ってもらうべく「現役の医師が学校を訪れ、子どもたちに健康や医学、医療従事者の仕事、そして地域医療の現状に関する知識や情報を伝える授業」を行っています。
今回、秩父第一中学校において「秩父の医療は誰が守る?〜命を支える仕事を考えよう〜」というテーマでご講演をいただき、私も同席させていただきました。栃村先生の説明は分かりやすく、親しみやすいお人柄から和やかな雰囲気が生まれ、生徒は真剣に耳を傾けていました。このような授業は、子どもたちが健康の大切さを理解し、将来のキャリアを考えるきっかけにもなります。授業では、高齢の方で診療所まで通えない患者のために往復約1時間を要して訪問診療を行っていることや、栃村先生が担当されている夜間救急当直の実情を、具体的な事例とともにご説明いただきました。


「地域医療は医療関係者だけでは守れない」というお言葉には特に共感を覚え、行政や将来を担う世代にも自分たちに何ができるのかを考えてもらうことの重要性を伝える機会となりました。生徒のみならず、秩父に住む私たちにとっても、取り組むべき課題があると感じました。講演の最後には「将来、夢に悩んだ時はぜひ医療職へ!みんなの秩父を皆で守ってほしい」という栃村先生からの熱いメッセージをいただきました。
限られた医療資源の中でも、地域内での連携を強化し、効率的かつ安心・安全な医療を提供することが私の使命です。今後も、夜間オンライン診療など様々な手段を活用し、地域医療の安定化を目指す施策を引き続き推進してまいります。栃村先生、ありがとうございました。
